第3回弘法大師足跡巡礼の旅

第3回弘法大師足跡巡礼の旅は1月11日~13日の日程で行って参りました。

初日の行程は京都の東寺、當麻寺を参拝し午後は高野山に登り光臺院で宿泊を致しました。

最初に訪れた東寺は、平安京鎮護のための官寺として建立が始められた後、嵯峨天皇より弘法大師に下賜され、真言密教の根本道場として栄えました。また東寺は、東寺真言宗の総本山でもあり教王護国寺とも呼ばれております。

その由来は王を教化する国家鎮護の密教寺院という意味合いが込められているところから後七日御修法が修法されています。後七日御修法とは、もともとは唐の不空三蔵が皇帝の為に始めた例にならい、我が国でも弘法大師が大阿闍梨となり承和2年の1月8日から14日までの7日間、宮中において国家の安泰、世界平和を祈って修法され、これ以降、真言宗各派本山の管長様と定額僧によって毎年の恒例行事となっています。

御修法の還列を参拝させて頂いた際に大勢の方が集まりその様子をご覧になっている中、小さな子供達が一生懸命大きな声で「南無大師遍照金剛」南無大師遍照金剛」と還列が終わるまで唱えている姿に元気を沢山貰うことができ、今でも心に響いております。

次に参拝した當麻寺は、白鳳12年百済の恵灌僧正を導師に迎え、當麻寺として遷造した時、裏鬼門の守り寺院として創建されたのが始まりです。その後、弘仁14年に弘法大師が当院に留錫し曼荼羅堂において「いろは歌」を御想念されたそうです。この時より真言宗となり法灯は守り続けられ人々の厚い信仰を集めております。

また、本尊として祀られる當麻曼荼羅(たいま まんだら)は極楽浄土の光景を壮大な規模で表したものです。

奈良時代、藤原豊成の娘としてお生まれになった中将姫様は幼少より観音様を深く信仰し『称賛浄土経』一千巻の写経を成し遂げ、夕陽の沈む西の空に極楽浄土の姿を感じ、その光景に導かれるように當麻寺に入山し中之坊で剃髪されました。観音様の加護を得て一夜にして4メートル四方の巨大な當麻曼荼羅を織り上げたと言われております。

早いもので今期の根幹事業である弘法大師足跡巡礼の旅は三回目で最後の旅となりました。お大師様が歩まれた道を丁寧に参拝して行き、無事に成満することができたことは本当に良かったと思っております。

今回の旅で印象的だったのは東寺の後七日御修法の還列の様子(今まさにこれから国家安泰、世界平和を祈る修法をする為に入堂なさる)を参拝出来たことは非常に感慨深く、専修学院時代に御修法の還列を参拝した日が懐かしく、その時の初心の気持ちを思い出すことができました。その思いを胸に、また新たな気持ちで日々の檀務に励んで行きたいと思います。

合掌