第2回チャリティーゴルフコンペ練習会

吾輩はゴルフ素人である。クラブはまだない。どうして細い棒を振り回して球を飛ばそうとしているのかとんと見当がつかぬ。何でも青年会でチャリティゴルフコンペを実施するための練習会だということだけは記憶している。

残念ながら厚い雲のため中秋の名月(一日遅れだけれど)の月下にて、というわけにはいかなかったが、気持ちの良い秋の夜風が名月がわりの坊主頭を撫でるなか青年会員九名に歴代会長の下田師をお迎えして行われた。

今回で二回目の打ちっぱなし会場でのゴルフ練習であり、前回初めてクラブを握った我々もかなりの上達を見せる、などということは勿論なく、五月に行われた練習会に学んだ事など三千世界より遠い記憶の彼方である。残っているのは偶々当たった際の気持ちのいい音と、練習後に食ったソバの味だけである。ちがう、私はソバじゃなくてカツ丼を食ったのだったか。

もはや若年性健忘症なのではないかと思われるほどの忘却能力を発揮し、そもそも忘れるほどの事を学んだのかという疑問もあるが、完全に初期化された素人の我々に心強い味方が今回は光臨されている。

下田師である。

いや、下田先生である。

打ちっぱなし会場にて試着会が行われていた、SixPadなる電気の力にてムキムキになろうという勤勉なのか怠惰なのかよくわからない代物が先生の右腕にて遺憾なくその効果を発揮した結果、右上腕筋および上腕二頭筋に緊急事態を引き起こしていたにも関わらず、完璧なフォームから打ち出される美しい放物線は中秋の名月すらもかすませていた。空一面雲しか見えなかったけれど。そのぐらい美しかったのだ。

技術だけではなく、指導力も一流である。以下は当日指導を受けた者たちの感想である。
I先輩「下田先生からなかなか合格がもらえなかったが、頂戴した教えを守って練習していたらとんでもなくうまくなった」
K君「下田先生に一言指導を受けただけなのに気持ち悪いぐらいうまく飛ばせるようになった」
など多数である。徹頭徹尾ふざけきった報告書だがこの発言と感想は事実だ。私自身二言三言の指導を受けただけで劇的に上達した。素人が頭をひねって云々うなりながら練習した前回は何だったというのだろうか。何事にも先達はあらまほしきことなり。

やはり何事も身につけたり学んだりすることは楽しい。しかし、性根ががさつで紳士とは程遠い私は青年会に参加していなければおそらくゴルフなど一生やらなかっただろう。
一人じゃ始めないことを始められる、体験できる。これも青年会の重大な役割の一つなのだろう。仲間とは本当にありがたい。お釈迦様はサイの角のようにただ一人で歩めとおっしゃられたけど。(明敏な友と交われともおっしゃられていた気がする)

下田さん、ご指導いただきありがとうございました。またぜひともご参加下さい。さらなる先輩方のご参加も心待ちにしております。

記事:杉本