寿町炊き出し

昨年12月8日、寿町にて炊き出しを行いました。寒くなって来る時期に、温かいものを食べて頂いて、ホッとする・・・そんな瞬間は、誰もが経験が在るはずです。そのような炊き出しが出来たらと、多くの青年会員が腕を振るい、500食の豚汁を作りました。

朝8時半から西区赤門町の東福寺様の境内をお借りしての調理。食材の仕込みからすべて青年会の会員で行います。災害時の支援活動の際にも、こうした炊き出しの経験が非常に役に立ちました。私達は仏法を説くことをせねばならない立場ではありますが、『食』ということを非常に大切に考えています。

真言宗では、飮食の供養を禅定の徳に喩えることがあります。お腹が減れば人間は冷静な判断を失ったり、安心して修行が出来ない、生活が出来ない。右往左往することになります。けれども、食事があれば、人は安心して生活することが出来るからです。食べることは生きること。それが在って、初めて仏の教えが活きていくのです。

しかしながら、この炊き出しの活動では仏の教えを説くということはしたことがありません。召し上がって頂いて、美味しいひとときを過ごして頂くことを目標にしています。いわば味覚の説法とでも言えましょうか。

調理も時間通りに進み、寿町の配食場所へ移動して、500食の豚汁を配食致しました。

召し上がられた方々から、『美味しい!温かくて美味しいよ!』との言葉を頂いて、ホッと胸を撫で下ろす想い。

召し上がっておられる笑顔を見ると、こちらも嬉しいのです。相互供養、相互礼拝です。こういう時、救われているのは、実は私達なのだなあと感じる事があります。私の仏さまと、相手の仏さまが、相互に供養し、相互に礼拝しているように。

最後に、配食をした施設の横にあるお地蔵さまに皆で手を合わせて読経供養を致しました。地域の方々がよく訪れ、参拝者が絶えない場所です。

願わくはこの功徳を以って遍く一切に及ぼし、われらと衆生と皆共に仏道を成ぜん。

皆様の笑顔を見られて、とても有り難い一日でした。