3日目、当会一行は長崎県の弘法大師ゆかりの地を訪れました。とりわけ印象に残ったのは、平戸田ノ浦の海岸線から臨む雄大な日本海でした。この場所に立座する石造りの弘法大師の霊像は、遥か地平線を指差し、これから訪れるであろう困難とそれを乗り越えようとする情熱が表現されていることと思われます。
荘厳な大師像の台座には「弘法大師唐渡解纜之地」と刻されており、この地から弘法大師は遣唐使の一団として入唐を目指されたのでした。誰も成し遂げていない密教秘法を持ち帰ることに挑戦し、様々な困難を乗り越え、そして成満されたこと。そのことに畏敬の念を感じつつ、謂わば原点となったこの地から弘法大師が何を感じられたかに思いを馳せ、帰路につきました。さて、今期青年会は入谷会長のもと、まだ見ぬ大海原に乗り出して参りました。希望と不安の入り混じった出帆から今までの間に多くを学び、現在では滞りなく当会の舵取りをしているように見受けられます。残された時間は少なくなって参りましたが、入谷丸の船員の一人として悔いの無いよう、無事に帰港することに注力する所存です。記事:矢澤